自律神経は3つ。
これまで2つと言われていた自律神経。
アメリカイリノイ大学 神経科学博士ステファン・ポージェス博士は、自律神経は交感神経と2種類の副交感神経の3つある、ポリヴェーガル理論
(多重迷走神経論) を提唱しました。(1995年)
交感神経とは
大昔、人がまだ狩りをしていたころ、野生動物から身を守るために、闘争か逃走という命を守るために発達したと言われるのが交感神経です。
現代社会では、野生動物に襲われることはないんですが、環境や人間関係、緊張や不快に感じるものから自己防衛するため、激しい運動、緊張、興奮している時などに働く神経ネットワークです。
交感神経が優位だと、便秘。不眠。食欲不振などの症状が起きるでしょう。
これまでは、ストレスから身を守るために、「闘争か逃走」と言われていました。
副交感神経とは
反対に、リラックスして居心地がいい時は副交感神経は優位になっている状態です。消化吸収、睡眠、生殖、休息している時などに働く神経ネットワークです。
この副交感神経に、腹側迷走神経と背側迷走神経の二種類あることを提唱したのが、ポリヴェーガル理論です。
2種類の副交感神経とは
■腹側迷走神経
顔の表情、声のトーン、内臓の感覚を司り、その情報を脳に伝える神経です。人間関係や社会関係を司っている神経ネットワークです。
■背側迷走神経
副交感神経なんですが、闘争か逃走をはるかに上回る、死などの極端な恐怖に直面した時、判断能力など完全に機能停止し動けなくなってしまいます。身を守る唯一の最後の行動とも言えます。
現代は、ストレスがかかった時、「闘争か逃走」から、この背側迷走神経の働きによる「凍りつき」という症状が多くなっているようです。
ポリヴェーガル理論とは
簡潔に。安心安全のために働く神経ネットワークを科学的に説明するものです。地球上の生物が進化の過程で経てきて、背側迷走神経、腹側迷走神経という神経が生まれてきました。
ヨガとポリヴェーガル理論
自律神経は不随神経です。意志で動かすことができません。
ですが、唯一呼吸はコントロールすることが可能です。
緊張している時、落ち着こうとする時、ゆっくり深呼吸しますよね。吐く息は副交感神経を優位にしてます。
トラウマの研究科である、ベッセル・ヴァンデア・コーク博士は、ポリヴェーガル理論をヨガに取り入れた人です。ヨガをすることで心拍が変動し、トラウマの解放に繋がると仰っています。